日記みたいな感じで

日記みたいな感じで書きます。

Aqua Timezの話

今、スポーツ界が揺れている。

日大ラグビー部の問題をはじめ、剣道、体操、各協会の威信が揺らぐ出来事が頻繁に起きている。

2020年の東京オリンピックパラリンピックを控え、スポーツ界のみならず、大会施設の問題、外国人の問題等未解決の課題は山ほどある。

 

だがそれらよりも喫緊の憂慮すべき事項がある。Aqua Timezの解散である。

 

筆者はゴリゴリのAqua Timezファンである。小学生のときに「決意の朝に」を聴いたときの衝撃は忘れられない。

「どちゃくそかっこいいメロディーからどちゃくそかっこいい歌詞が飛び出してくるやんけ!」と思った。いや、思ってないけど。言葉のあやね。

 

とにかくもうずっぽり惚れ込んだ。

"不安定な思春期"に、仲間や家族や勉強や何から何まで、アイデンティティを確立する前の自分にとってあらゆる分野で背中を押してもらった。

 

とにかく歌詞が優しい。

「幸せになることを急がないで」とか

「寄りかかってもいいんだよ」とか

寄り添って味方になってくれているような感覚になる。

大人になった今でも、最近だと「未来少女」という曲で、一際感銘を受けた歌詞がある。

「自分以外の人がみんな 幸せに見えるというなら ワタシもそういう時がある お揃いなもの みつけてゆこう いいこともやなことも まるごと」

すごくないです?こんなこと言えるの。単純に頑張れ!っていうだけの無責任な台詞じゃないんですよ。「ワタシもそういう時がある」「だから一緒に今を生きよう」みたいなさぁなんか泣けてきたよわかるかな俺だけかい。すごく聴き手に寄り添ってくれる曲だと思うんですよそうじゃない人も聴きなさいメロディーも良いから。ふぅ。よっしゃあ。

 

いつかのライブで、「どんな事があってもみんなのことは俺たちが歌で肯定してみせる」と言っていたのが強く印象に残っている。

クサイよな。わかる。クサイんだ彼らは。

 

とても綺麗事なんだけれど、彼らはそれを本当に真っ直ぐに歌っていて、飾りっけがない。一見くさいセリフを本当に歌で聴いてくれている人を勇気づけるために歌っている。それが歌詞を読んで、ライブに行って、ものすごーく伝わる。

 

ボーカルの太志の喉の調子のせいでライブが延期になったときに、快く応援してくれたファンに向けて「小さな掌」って曲を作ってしまうくらい(この曲の歌詞は「言葉じゃ足りないけどありがとう」で終わる)、ファンが期待してずっと待ってくれるのをよしとしないで休止ではなく解散を選んでしまうくらい、彼らはとても優しい。だからこそ響くんだね、彼らの曲は。

 

彼らのファーストミニアルバム「空いっぱいに奏でる祈り」はインディーズながらオリコン1位を獲得し、特にその収録曲「特身大のラブソング」が有名になった。

この曲な、結構パリピっぽいんだよ。ファンから言わせればAqua Timezっぽくないし実際彼らもそのアルバム一曲目の「希望の咲く丘から」みたいな曲で攻めて行きたかったらしい。ライブでは盛り上がるし嫌いじゃないんだけど、「あーAqua Timez知ってるよー特身大のラブソングとかめっちゃ好きだわー」とか言ってくる人に出くわすと「知ってくれているのは嬉しいがお前は違うな...」となる複雑なファン心よ。

 

その「等身大」で売れた彼らは自分たちを「一発屋」って言ったり武道館前に足がすくんだって言ってたりなんかもうそのへんも好きでさぁ謙虚なんだよーロックじゃないんだよ。

チャラついた若者がやっているバンドっていうイメージは全くなくて、本当に真摯に曲を届けようとしてくれているバンドなのさ。

 

そんな彼らが「やりきった」と言って解散の道を選ぶのは本当に残念だけれど、ファンとしては泣く泣く受け入れるしかない。散々支えてもらったんだからあとはこっちが彼らが円満なラストを迎えられるように両手を広げていなければならない。そんな使命感がある。

 

ラストライブの最後の曲はなんだろうな....決意の朝にか小さな掌かlast danceあたりが相場だとは思うんだけど、hey my menとかナポリとかで悲しい気持ちを有耶無耶にして終わってほしいって気もしているんだよな。

 

何にせよ俺の青春が終わってしまう。

曲を聴けば、それを聴いていた当時のことを思い出して青春が続いていくような錯覚を覚える。新曲が出る度に、いつも感じていたわくわくで心が子どもの頃に戻らせてくれる。

その青春を彩った人達が活動を辞めてしまうことは、青春が過去のものになってしまうようで、自分が本当に大人になってしまうようでとても寂しい。

"一生青春"なんて彼らは歌っていたけれど、綺麗なものは変わっていってしまう。

曲の色はこれからどんどん違ったものに見えていくだろう。

けれど、いつか思い出す記憶に、確実に優しさは溢れている。

last dance、来てほしくないけど待っています。