食べ物の話
君は歯が生え揃って以来、1ヶ月間何も口にしなかったことはあるかい。
持病の説明をするときによく使うフレーズだ。そう、私はまだ若いのに持病がある。
しかも一生付き合わなきゃいけないタイプのやつだ。
端的に言って飯が食えなくなる。
何故か、お腹が痛くなるんだね。
普通のお腹の痛みじゃない、とんでもなく痛い。痛みで眠れなくて病室でナースコールをして「とてもお腹が痛いです」と死にそうな顔で言ってしまうくらい痛い。
その持病の関係で1ヶ月の点滴生活を2回経験したわけだが、1番の教訓は「食は幸福」ということだ。
1ヶ月も何も食わないと食への渇望が半端じゃない。どれくらい半端じゃないかと言えば孤独のグルメ漫画版2冊を読み切りドラマ版2シーズンを一気見してしまうくらい半端じゃない。唾液を溜めて食欲を落ち着かせるんだね。
絶食2週間を超えたあたりで、Twitterで「ファスティング」とかいうファッション断食をしている大学生を見つけて本気でぶん殴ってやろうかと思った。何が「水が甘く感じる」だちょっとそこに座れ。こちとら命を懸けた切迫したファスティングなんだよ。
実際にはこの持病が原因で死ぬことはないのでまぁいいんだけど、絶食は辛い。
人間、人生の7割の幸福は食が占めてる。間違いなく。美味いもんが食える幸せ。
ただ、食べられる幸福はよく分かっているんだけど俗に言う馬鹿舌を持っているんだね。
「美味しい」か「食べられる」か「あんまり美味しくない」っていう分類しかない。
グルメってなんだ?何をもってミシュランは星をつけているんだ?食戟ってなんだ?
今後、食もたまにはテーマにして、美味しいものの話とかができたらいいなと思う。
今日も食べ物が美味しい。